猿検知器の製作 親機

親機ボックス内部には親機基板があります。また、電源スイッチ、電源表示LED、太陽光センサー、端子台があり、親機基板と接続されます。外から入ってきた電源線、センサー子機用ケーブル、スピーカー用ケーブルも親機基板と接続されます。

親機内部

親機ボックスの内部

メインポール

メインポールに取り付けた親機ボックス。下はバッテリー

親機の機能の検討

概要のページにも記しましたが再度掲載します。

  • 電源の供給。電源は車載用12Vバッテリーを使用。バッテリーの残量が少なくなったら電源表示ランプを点滅させる。
  • センサー子機から反応信号が来たら大きな警報音を1分間程度鳴らす。音は猿への威嚇と人への通知を兼ねる。
  • スピーカーは屋外用トランペットスピーカー(中古)をポールの先端に山側に向けて設置する。音は園主の家の中でも聞こえる大きさにする。スピーカー出力はフルブリッジ型プッシュプル構成で電源電圧12Vとして出力約18W程度か。
  • 太陽光センサーにて昼夜を検出し、猿が出ない夜間は装置を停止させる。また、太陽光センサーは日光の強さも検出し、炎天下の強い日光の下でセンサーの誤反応が起こりやすいのでその対策も行う。
  • 追い払い装置など外部装置を駆動するよう、猿反応時にバッテリー電源を出力する。
  • 風雨や直射日光に耐えられるよう屋外用防水ボックスに入れる。

親機基板にはマイコンを搭載してこの機能を果たすようプログラムを作成します。

親機基板の製作

<回路設計>

次に親機の全回路図を示します(いくつかのバージョンがあり、その一つです)。回路図はフリーの回路図作成CAD「BSCH3V」を使って書いています。図の点線で仕切られた親機基板の範囲が基板になります。

SARU_ALARM_P.

親機回路図

使用部品はほとんどを手持ちで間に合わせています。部品一覧表を一応掲載しますがメーカーや型名などは参考程度にして下さい。私は新規に購入する場合は秋月電子通商を利用することが多いですが、スイッチなど接点の信頼性が要求される部品はきちんとしたメーカー製(日本製など)を使った方が良いと思います。
部品一覧表(PDF)

<基板設計>

プリント基板はフリーの基板設計CAD「MBE」を使って設計しました。MBEはネットリストを読み込めないので、フットプリント(部品のランドデータ)を置いて結線するのは全て最初から入力しなければなりません。しかし、小規模基板で片面基板を基板加工機で作る場合はパターン幅やランドの大きさを自由にできるのでかえって使いやすいと思って使っています。 次に設計後の基板のイメージ図を示します。先の回路図とバージョンが一致していませんのでご容赦下さい。(いずれ統一する予定です)

SARU_DET_Board

MBEで設計した基板(イメージ図) 青い部分はハンダ面のランド

<基板製作>

プリント基板は我が工房の基板加工機(MITS AutoLab)で作成しました。生基板は紙エポキシを使っています。

KIBANKAKOU

我が工房の基板加工機 MITS AutoLab

<親機ボックス 部品固定と配線>

親機ボックスへは、親機基板、太陽光センサー、電源スイッチ、電源表示LED、端子台を取り付けます。特に、太陽光センサーやLED は雨の侵入を防ぐためにシリコン系の接着剤を使ってしっかりと充填接着してあります。

次の写真は太陽光センサーを製作したもの2例です。

光センサー

左:太陽光センサー➀  右:太陽光センサー➁

➀左側:ボックス天板にCDSを取り付けその上にアクリル板とすりガラスで自作したレンズを被せ、防水のためにシリコン系接着剤で充填接着したものです。このセンサーは1年でダメになってしまいました。
➁右側:電気工事配線用の自動点滅器の内部を改造してCDSだけにしてボックス内に配線を引き込みました。外のケースを固定するための台座をアクリル板で作り、防水のためにシリコン系接着剤で充填接着してあります。現在使っているのはこちらです。

◆ 自動点滅器  Panasonic ニューEEスイッチ(器具用)(B13B) EE8901

外からのケーブルを挿入するために下部に開けた穴には、電気工事用のボックスコネクタを取り付けて使い雨などの侵入を防ぐようにしました。

親機ボックスSW他

スイッチ、LED、ケーブル挿入用穴

親機内部配線

親機内部の配線の様子

親機内部の配線は、基板に設けたコネクタや端子台により行います。センサー子機からのケーブルが接続されるところはボックス内に中継用の端子台を設け強度的にしっかりさせてあります。
この写真のボックスは親機内センサーを設けてみた物で、太陽光センサーの形状や基板のバージョンなどもページ先頭にある親機ボックスと少し異なります。
開発途上でもあるため、今後もいろいろと変更されていきます。ご容赦下さい。


<PICマイコンのプログラミング>

開発環境は MPLAB IDE v8.86 + CCSC v5.044  + Pickit3 で行っています。
先に記した「親機の機能」に示す動作をさせるためのプログラムをC言語で書き、MPLAB と CCSC でクロスコンパイルして Pickit3 により親機基板の PIC16F88 に書き込みます。

PIC_Programing

MPLABによるC言語(CCS)プログラム作成画面

PIC_Programing2

プログラムをPickit3によりPIC16F88へ書き込み中

誠にすみませんが、プログラムの詳細な中身については現在のところ公開の予定はありません。

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