長い間未耕作地であった所に2022年3月に菌ちゃん農法の高畝(高畝1)を作りました。(その様子は 菌ちゃん農法(炭素循環農法)の畝作り をご覧ください)
この年いろいろな野菜を作ってみました。その結果をレポートします。
この畝の1年間の植え付けの様子
2022年 当初の植え付け図
2022年 夏からの植え付け図
各野菜の生育経過(概要)
(野菜の名前をクリック(タップ)すると詳細に飛びます。順次追加掲載していきます)
種 類 | 苗植え | 生育 | 収 穫 | 虫被害 | 状 況 |
白菜① | 4/14 | ◎ | 6上-中 | 極少 | まあまあの出来 |
白菜② | 5/8-14 | ○ | 7上 | 中-多 | 後半は虫被害で× |
チンゲンサイ① | 5/8-14 | ◎ | 6上-中 | 極少 | 良い出来 大きい |
スイスチャード | 5/10-14 | ◎ | 6上-7上 | 極少 | 良い出来 |
ナス(庄屋大長 ナス(京まんじ |
5/11 | ○ △ |
7上-9下 7上-9下 |
極少 少? |
まあまあの出来 収量少 |
ズッキーニ | 5/6 | ◎ | 6中-7下 | 無 | 良い出来 収量○ |
サツマイモ | 5/4 | △ | 10/16 | 無 | 収量少 サイズ大 |
里芋 | 5/4-9 | △ | 10/26-年末 | 無 | 収量少 サイズ小 |
枝豆 | 5/19-20 | ○ | 7中-8中 | 少 | まあまあの出来 |
おかのり | 7下 | ○ | × | 中 | えぐみ強く未収穫 |
白菜③ | 8/25-30 | ○ | × | 多 | 虫にやられて結球せず 塔立ちし12月菜花を収穫 |
チンゲンサイ② | 8/25 | ○ | 10下-11中 | 少 | そこそこの出来 |
キャベツ
(夏まき冬採り) |
9/1-2 | ○ | × | 中 | 虫にやられたが大部分が固く結球。他に良いものが出来たのでここは未収穫 |
まとめ
1.一部を除き生育は良好だった
白菜、チンゲンサイ、ズッキーニ、庄屋大長ナス、スイスチャード などは順調に育ちました。特に白菜①は前年に炭素循環農法で作ったものと比べて大変大きく立派なものができました。また、チンゲンサイ①も驚くほど立派なものができました。いきなり無肥料栽培1年目で菌ちゃん農法の確かさを確認することが出来ました。
2.虫にやられたものも多かった
虫は普通に付きました。モンシロチョウが飛来する時期はやはり厳しかったです。
菌ちゃん先生ならほとんど虫にやられない立派な野菜が出来たのかもしれません。しかし、見よう見まねで行っている者にはポイントを外しているところもあると思います。菌ちゃん先生が長い年月を掛けて試行錯誤してこられたことを考えれば、やっとスタートラインに着いたところでしょうね。
3.何が悪かったのか
① 他の畑で作った畝と比べ、この畝(高畝1)はいつまでも水分が多く苗を植えるときにはどこも湿っていました。段々田んぼの一つで元々水はけも悪いと思われます。菌ちゃん先生が指導されているように、もっと排水をきちんとする必要があるように思います。
② 作った畝の中をモグラが潜っていて、苗を植えるときに土を埋めなければならないところが沢山ありました。モグラ=ミミズ=腐敗 ということですので、畑が腐敗しているということです。原因としては水分が多い畝であることの他に、畝の作り方に問題があった可能性があります。(同時に作った他の畑の畝も、中をモグラが潜っている所が多かった)
私は多くの畝をつくるためにできるだけ省力化をしたいと考え、トラクターのロータリーで耕した土を後ろに装着した畝立て機で整形する方式で畝を作りました(菌ちゃん農法(炭素循環農法)の畝作り 参照)。これだと折角の土の団粒が壊されることと生の雑草が畝の深くにすき込まれてしまいます。これが腐敗の原因になると考えられます。
菌ちゃん先生のやり方では周りの土をスコップで掘って畝の場所に積み上げていきます。今後もトラクターは必須ですので、できるだけ畝の下を耕さないような畝立ての方式に変えてみたいと考えています。
③ 2022/11/23 に菌ちゃん先生のオンライン講演会がzoomを使って行われ、私も参加しました。モグラのことを質問しましたが、原因等の具体的なご回答はありませんでした。現地を見なければ分からない色々な要因が考えられるのだと思います。時間を掛けて様子を見ていくことが必要とのご回答でした。時間を掛けることで腐敗物が分解され発酵型に変わっていくことが期待できます。この畝はこのまま使い続けて様子を見ていきたいと思います。モグラさんとのお付き合いはまだ続きそうです。
④ 弱い苗ほど植え付けたときに虫の餌食になりやすいことが分かっています。野菜作りも苗作りも初心者です。強い健康な苗を作る方法や虫が付きにくい自然農法のノウハウなども勉強していきたいと思っています。(「現代農業」に えひめAI、もみ殻燻炭 など参考になりそうな記事があります)
⑤ 冬採りキャベツを他の畝(炭素循環農法2年目(菌ちゃん改良)の畝)で作ったものと重量比較してみたところ、こちらの方が3割程軽く、玉の締まりが悪く手で持ってもはっきり分かる程でした。糸状菌の活動がまだまだ不十分であったことが想像されます。菌ちゃん先生が動画の中で「マルチに所々穴を開けた方が糸状菌が活発になる」と話されています。また、ススキを中心に入れた畝ですが炭素資材の投入量が少なかった可能性もあります。まだまだ試行錯誤は続きそうです。
野菜毎の様子
白菜①
市販苗:はるさかり・無双・オレンジクイーン 計16株
苗植え:2022/4/14
生育:順調に生育し菌ちゃん農法の畝の力を実感しました。
収穫:2022/6/4~ 虫の被害も少なく、順調に結球して結構な大きさに成長しました。結球の固さはいまいちでした。6月初旬の内に大部分が収穫でき、自家で消費した他、地主・近隣にお裾分けしました。
白菜②
播種:2022/4/9 無双 128セルトレイに56セル
鉢上げ:2022/4/24 7cmポットに30株
苗植え:2022/5/8~14 20株
生育:6月までは割と順調に生育していきました。しかし、7月の段階ではかなり虫の被害が目だつようになりました。白菜①より苗植えが1ヶ月ほど遅れたためモンシロチョウがしっかり産卵できたためと思われます。まだ虫が好む野菜であることがわかりました。前年の炭素循環農法の畑での白菜の様子では、6月中に収穫を終えるような作型なら虫の被害が少なくできるようです。
収穫:形はそこそこ良くても中に虫の糞がたまっていて、自家消費が中心でした(人にあげられるものはわずか)。半数は廃棄処分となりました。
白菜③
播種:2022/7/28 サマーサラダ 128セルトレイに64セル
鉢上げ:2022/8/13 7cmポットに50株程
苗植え:2022/8/25 38株(2カ所)
生育:2カ所とも苗植えして早々に虫の被害に遭い、成長も悪くほとんどが結球までに至りませんでした。そのまま放置したところ11月頃に塔立ちし12月には菜の花が咲いていました。虫の被害で欠損した株は1~2割程で、多くの株が元気に塔立ちしました。
収穫:白菜としては収穫ゼロ。12月に菜花として収穫。食卓にも上り近隣にも配りました。
チンゲンサイ①
播種:2022/4/3 128セルトレイに40セル
鉢上げ:2022/4/25頃
苗植え:2022/5/8-14 32株
生育:順調に生育していきました。糸状菌がうまく働いていると思われます。
収穫:虫の被害も非常に少なくチンゲンサイとしては大きすぎるサイズに成長しました。6月上中旬の内に白菜と共に順次収穫して地主や近隣の知り合いに配って喜んで?いただきました。一様に「大きい」との感想でした。
スイスチャード
播種:2022/4/3 128セルトレイ
鉢上げ:2022/4/25頃
苗植え:2022/5/10~14 24株程
生育:順調に生育していきました。葉を摘んで収穫していきますが次々と新しい葉が出て成長を続けます。油断すると葉が大きくなりすぎてしまいます。虫の被害はほとんどありません。アクが強いので虫も嫌うようです。
収穫:6月上旬から7月上旬にかけて葉を摘んで収穫し、自家で食したり地主や近隣の方々にお裾分けしました。アクがあるのでほうれん草のように茹でてアクを抜いて食しますが、大きく育ち過ぎた葉はアクが強くなります。残念ながら彩りは良いのですがそれ程は好んで食べられる野菜ではないようです。
ズッキーニ
播種:2022/4/3 8cmポットへ
苗植え:2022/5/6 4月末に植えたものは5/3の遅霜でお陀仏に。この日に植え直しました。全11株
生育:順調に生育中。昨年、炭素循環農法1年目の畝で初めて作ったのですが、何故かズッキーニは特別に元気が良かったです。吸肥能力が高い作物なんでしょうか。
収穫:6月中旬から収穫が始まり7月下旬まで続きました。最盛期には毎日20cm超のものが1株当たり1~2本採れました(残念ながら写真の撮り忘れ)。ただし、梅雨時期で雨天続きの後は受粉できずに収量も落ちました。自家で消費した他に連日地主さんの所へ運び、試しにネット販売していただきました。
キャベツ(夏蒔き冬採り)
品種:おてがるキャベツ金系201 大玉キャベツ
播種:2022/7/25 256セルトレイに
鉢上げ:2022/8/11
苗植え:2022/5/10~14 各20株 程
生育: ほとんどの株が順調に生育しましたが虫の被害にも遭いました。別の場所で作った春蒔きキャベツは酷く青虫にやられて編み状態でしたが、ここはそこまで酷くはありませんでした。防虫ネット等は使っていません。いきなり1年目の畝でこの程度なら良い方だと思われます。結球はほとんどが順調に進みましたが、玉の部分にも虫食いの後が結構見られます。
収穫:今回、他の畝(炭素循環農法2年目(菌ちゃん改良)の畝)の出来が良かったため、このキャベツの収穫には至っていません。このまま寒い冬を乗り越えて春を迎え、菜花として収穫できると良いがと思っています。
何回かの冷凍パンチに遭った1月。試しに大き目のものを収穫して、他の畝(炭素循環農法2年目(菌ちゃん改良)の畝)で収穫したものと重さを比較してみました。品種はどちらも大玉キャベツでサイズは直径約22cmで同程度です。こちらの畝の方が玉の締まりがかなり悪く持って分かるほど軽かったです。下の写真のように計測では約3割ほど軽かったです。