炭素循環農法 その5 菌ちゃん改良によるキャベツ栽培2022

失敗続きの私のキャベツ作りですが、今回炭素循環農法2年目となる平畝部に菌ちゃん改良を施して「夏まき冬採りキャベツ」を作りました。今までで一番の良い結果を得ることができました。
ちなみにですが、菌ちゃん先生の動画では長い畝で立派なキャベツが虫もほとんど来ずに作られている様子が紹介されています。こんな菌ちゃんふぁーむのキャベツの畝に憧れを感じます。そんなキャベツができることを夢見ながら我慢と精進です。

畝の計画

苗作り 2022/7/25~

あまうま大玉キャベツ(サカタ)
おてがるキャベツ金系201(サカタ)
交配四季どりキャベツ(ニチノウ)
四季どりキャベツ(アタリヤ)
・・・期限の過ぎた種も

播種

2022/7/25 125穴セルトレイ2枚(各64セル) タキイの種まき培土使用(初心者としてはより確実に)
期限が1年以上過ぎた種は発芽率が少し悪い。

鉢上げ

2022/8/11 8cmポットに タキイの育苗培土使用 計160鉢程(沢山過ぎる苗)

植え付け直前の苗 2022/8/26

畝作り 2022/8/3~4(2列)

① 畝の草取り

前作(キャベツ)の残りや伸び放題になっていた草を取り除きました。根との際を鎌などで切って根をできるだけ残すようにしました。

前作の放置野菜や伸び放題の草を取り除く(根は残す)

② 畝内に梨の剪定枝を入れる

菌ちゃん先生は畝に丸太とチップを入れる例を紹介されています。分解時間の異なる炭素資材を入れることで、糸状菌が早く動き出しかつ長く(何年も)持続することを狙っています。私の畝は何回かにわたってチップを数cmの厚さに入れてありますが、長く持つことを期待して梨の剪定枝も入れてみることにしました。
梨の剪定枝は主に直線的な徒長枝で約半年野ざらしにしてあったものです。かなり脆くなっていて直ぐにでも糸状菌が繁殖しそうです(長く持ちそうにない)。
畝の中央に20cmの間隔で2列、軽く隠れる深さに入れていきました。

炭素循環農法の畝に古い剪定枝を入れる

畝に梨の剪定枝を入れている(中央に2列)

③ チップを追加、土を軽く被せ、ビニルマルチ被せ

2cm位の厚さにチップを追加(左側の畝のみ)した後、通路の土を掘って畝の上に軽く被せていきました。なお、右側の畝は比較のためにチップは追加しませんでした。
菌ちゃん農法では土被せとビニルマルチは糸状菌の働きを活発化させるために重要なポイントです。ここは平畝ですが菌ちゃん農法のやり方を取り入れてみました。結果的に高さ20cn位の畝になりました。

左は完成した畝。右は通路の土を被せているところ

④ 畝への重し

菌ちゃん農法では畝の上に土塊などの重しを所々に載せます。今回は石や木の丸太を載せました。(様子は苗植えの写真を参照)

苗植え 2022/8/25~27

① 菌ちゃん農法の植え方で植えました。マルチに穴を開けて中のチップや木片をどかして土の面を出します。土の面をしっかり押さえた後水を注ぎ苗を底が接するように置きます。苗の根鉢全体を土で埋めて再度水を注ぎます。(以後、水やりは一切行わない)
② 中にモグラの穴があり土の面が深くなってしまう所もあります。そこには土を詰め込んで穴を埋めて底をしっかり押さえてから植えました。
③ 4品種 併せて100株ほど植えました。(全部出来たらどうしよう!)

苗植え中

育成経過

① 植えた直後にネキリムシにやられる苗があったため予備の苗を植え直しました。
② 蝶々には産卵させたくなかったのでネットのトンネルを11月中旬頃まで被せました。虫に食われるかどうかを確かめることも必要と思いましたが、自信が無いので止めました。(私にとってはキャベツがきれいに出来ることの方が重要)
③ ネットは太陽光を50%位遮るため10月末にネットを外しました。中には収穫が出来そうなものもありましたが、日照不足なのか全体的に生育が悪い感じでした。もう少し早く外しても良かった思います。

炭素循環農法(菌ちゃん改良)のキャベツ栽培

2022/11/23 金系201(右下)は小さめで色も薄く優しいが、他の品種は濃い緑で元気もりもり。数は少ないが虫が付いた株もあり

収穫 2022/11~2023/1

① 11月初旬から少しずつ収穫を始めました。ネットを外したときには生育状況が心配でしたが、順次肥大化が進み玉の直径が20cmを超えるものも出てきました。写真からも分かるように外葉の色が濃く葉脈も強くしっかりしていて元気の良い状態が見て取れます。
② 年末までに約半数(50個位)の収穫を行いました。品種による違いもありますが、大きく固く締まったものが結構な数収穫できました。12月中旬からは朝の気温が氷点下5℃に冷え込む日もあり甘みも増しました。(畑に行く度に外葉をつまみ食い・・・固いけれど甘さがある)
③ 自家では連日キャベツ鍋を堪能している他、地主・知り合いや近隣・農協の直売コーナーなどへ提供しましたが好評でした。ちなみに12月下旬からキャベツ鍋にしたキャベツは甘くとろけるような感じで、葉脈の太い幹も柔らかくなっていて大変美味しいです。(外葉もできるだけ入れるようにしています)
④ 12月末から1月初旬に掛けて氷点下5℃以下の日が続き、畑全体が冷凍庫と化しています。ほとんどの野菜は既に枯れ果て、アブラナ科の他の野菜もほとんどが萎れています。しかし、何度も凍ったキャベツがまだ健在で食卓に上っています。驚きです。
⑤ 虫が入った株がいくつか見られたましたが、全体としては虫の被害が大変少なかったです。初期に防虫ネットのトンネルを被せたことは良かったと思います。初期はまだ苗が弱いこと、糸状菌の活動がまだ不十分だったこと、蝶々の飛来があることなどで、無対策だとかなり被害に遭っていたと思われます。

炭素循環農法(菌ちゃん改良)のキャベツ栽培

2022/11/23 外葉は緑が濃く葉脈が強くはっきりしている(見るからに固そう)。全体に結球が固くしっかりしている。

まとめ

① 前年の炭素循環農法1年目の冬採りキャベツもまあまあの出来でしたが、今回はそれ以上のしっかりしたキャベツが採れました。
② 畝が炭素循環農法2年目になること、マルチなど菌ちゃん農法のやり方を取り入れたことが成果として表れたのではないかと思います。11月以降になってからの肥大が著しかったのは、その頃になって根がしっかり張ったことと糸状菌がうまく働いたためではないかと思われます。(菌ちゃん先生のようにマルチを開けて糸状菌の様子を確認することが必要ですが、私はまだ出来ていません)
③ 畝に梨の剪定枝を入れたことも糸状菌の増殖に役立った可能性があります。チップの追加をした畝としなかった畝での違いは特に感じませんでした。今までに十分なチップを投入しているためと思われます。
④ 何回かの冷凍パンチに遭った1月。収穫したものを他の畝(菌ちゃん農法1年目の畝)のものと比較してみました。両方とも同じ品種「大玉キャベツ」で直径は22cm程でほぼ同じです。下の写真に示すように重量的には4割程重く、玉の締まり具合も大変しっかりしています。2年目にしてやっとまともなものが出来はじめた感触です。

炭素循環農法(菌ちゃん改良)のキャベツ栽培

2023/1/18 重さを比較してみました。サイズは共に直径22cm位で品種も同じ。左:この畝のもの 右:菌ちゃん農法1年目の畝のもの

⑤ 結球しなかったものや小さいものも結構ありまだまだ課題はありますが、菌ちゃんふぁーむの畑のようなキャベツが出来たかな(?)と思い、今後への期待を膨らましています。