柿の剪定

2016年

2月に入り伝兵衛農園も柿(市田柿)の剪定作業を始めました。

ここは借りている畑の一つで20本ほどの木があります。近年ほとんど収穫していなかった園を3年ほど前から借りて作ってきました。木々も、枝同士も大変込んでいたものを間伐や縮伐により3年掛けて徐々に改善し、作業性や陽当たりが良くなるように仕上げてきました。

今年は3年目ですので、先日の剪定講習会で学んだことを頭に置いて自分なりに思い切った剪定を行いました。剪定前よりは良い形になってきましたが、理想的な形にするにはまだ年数が掛かります。それでも、強く切り過ぎて「今年の収穫はどうなるか」や「樹勢にどんな影響が出るか」などの心配は尽きず奥が深いです。ものづくりとは全く違う面白さがあります。

柿剪定前

柿剪定前

柿剪定後

柿剪定後

柿剪定その後

剪定その後 10月始め 収穫1ヶ月前

2017年

ここは我が園所有の畑で木は私の父が植えて十数年程経過しています。昨年から私が息子から任されて剪定をしています(^^)。
農協などの指導では「夏場に徒長枝を欠きなさい」と言われていますが我が園ではほとんど行っていません。そのため剪定前には強い徒長枝が林立しています。剪定作業の多くが不要な徒長枝を切る作業です。

市田柿2017剪定前

昨年は少し遠慮して切ったのですが、今年は講習会で教わったセオリーに近づけられるよう少し思い切ってやってみました。
① 主枝や亜主枝を負かすような強い側枝は元から切り落とします。また、背中から出ている上方向の枝も切り落とします。柿の枝は途中に強い枝(上向きの枝)があるとエネルギーがそこにどんどん取られてしまい、その先がやせ細ってしまうという性質があるからです(これを頂部優勢と言うそうです)。
② 腹枝は原則切ります。これは日当たりが悪く良い果実ができないことと、消毒の時に邪魔して大事なところに薬液がかかりにくくなるからです。
③ 先に伸びた細い結果母枝(成り枝)は切り落とし、元に近いしっかりとした結果母枝を残します。これを「切り戻し」と言います。また、今年新しい芽が伸びたときに互いに邪魔する枝は、どちらかを選んで切り落とします。これは陽当たりを良くすることと枝の量を調整して成る実の数を制限・調整することになります。
④ ①~③で「切る切る」とは言っても切り過ぎて枝が無くなっては困るのでそこは状況判断で適度にやります(今年は残すが来年は切る)。

市田柿2017剪定後

①の太枝を結構切り落としたので、全体としては結果母枝を多めに残してみました。「もう少し切ってもよかったかな!」とは思いますが、今年はこれで結果を見ます(毎年勉強)。

その年の剪定は前年までどのようにやってきたかで異なってきます。樹形によっては必ずしも①~③のようにセオリー通りにできるものでもありません。我が園の木はかろうじて理想に近い形状に仕立ててあるので一応セオリー通りにできるところが多いですが、そうもいかない所が結構あり、臨機応変(悩んで、考えて、決める)です。

大きく崩れた木は理想型に近くなるように思いっきりバッサリと切って、2~3年の間に枝が埋まってくるのを待つという方法もあるようです。この場合2~3年は果実の成りはあまり期待しないようです。

柿の剪定を始めてから5年目位になります。少しは木の成長が予想できるようになってきたかな?。