農作業場の内装工事

南信州とはいえ冬の寒い時期の農作業は屋外はもとより作業場の屋内でも厳しいものがあります。念願であった軽量鉄骨造りの農作業場の内装工事を、農業の合間に素人大工で行いました。工事の仕方から材料購入まで、友人の大工さんや木材屋さんにはいろいろと教えていただきました。
自分で行うので労賃はタダ。その分材料はプロ用のできるだけ良い物を使うようにしました。完成までには約3ヶ月ほど掛かりました。

◆ 床面積 3間×3間=9坪(約30平米)
◆ 工事期間 2014年8月~10月

既に半面の床貼りが終了したところで記録写真を取っていないことに気が付き、撮影を始めました。いろいろな雑物が写っていますが、工事にあたり他の場所へ移動できなかったのでそのまま中であっちこっち動かしながら作業を進めています。

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1.床下の大引+根太
高さ調整用の束を約900mm間隔にコンクリートに接着固定し、その上にヒノキ柱を大引として敷きました。大引きにはあらかじめ防腐剤を塗りました。コンクリートの床には塗装をしてあるため、必要なところを剥がしながら作業を進めました。
大引の上に根太を455mm間隔に敷き、間には断熱材(写真の青い板)をはさみ込んであります。冬の寒さ対策に、床・壁・天井の全てに断熱材を入れることにしました。
写真には910mm間隔の根太が見えますが、根太の端が一致しないよう交互にしたためこのように見えます。
根太の固定にはコーススレッドを使用。一般の物では頭が飛んでしまうことがあるので、強度の高い物を使いました。

◆調整束 JOTO YK-0206 1箱(50個入) 最大圧縮荷重=13.13kN(1,340kgf)
◆コンクリート接着ボンド(不足追加購入) ボンド床美人 PX280 アプリパック
◆大引 檜□90mm×3m
◆根太 垂木45×55mm×4m
◆コーススレッド (株)ファスリンク パワースレッド AP-4.2×75mm AP-4.8×90mm など
◆床断熱材 ダウ化工 パタパタエース20-410 t20×410×910mm 9坪分

2.床貼り
床は針葉樹合板(12mm厚)を下地にし、ウレタン塗装コンパネ(12mm厚)を表面に貼って二重にしました。強度を持たせるためには交互(千鳥)に組み合わせます。針葉樹合板のサイズは910×1820mmで根太の位置と一致しますが、ウレタン塗装コンパネのサイズは900×1800mmで一致しません。端に行くほど大きくズレていきますがやむを得ません。

◆ウレタン塗装コンパネ パネコート t12×900×1800mm

3.入口
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入口には土間を設けるため端材で枠を組みました。ここは調整束が使えないため高さ調整に苦労しました。木枠はプラスチックのスペーサをはさんでコンクリートに接着固定。床の土間際の框(かまち)は栂(ツガ)の半柱で作り、ウレタン塗装をしました。コンクリートの土間も元の塗装を剥がしてウレタン塗装をしました。

◆框 栂半柱 45×90mm×3m
◆ウレタン塗料(框、コンクリート共) (株)ソテック ファンデーション#123 透明

4.点検口
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この建物の場所は地価水位が高いため、コンクリート床に物を直接置いておくとコンクリートとの間が結露していることがよくありました(塗装もあまり良いものでなかった)。床を貼った後の結露状態を確認したいと考え床下点検口を設けました。
当初床下に、強制換気用にとアルミパイプを通しましたが、完成後に結露の心配がなさそうだったのでパイプは取り外すことになりました。(上の写真の右上にパイプが見えます)

5.壁断熱材
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鉄板1枚の外壁の内側に断熱材を入れました。鉄骨の枠組みがあるので、そのサイズに合わせてはめ込んでいます。断熱材の厚さが足りないので、同じ断熱材の端材をスペーサーとして入れてあります。

◆断熱材 カネカ カネライトフォーム t30×910×1820mm

6.隣室との出入口ドア
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中古サッシ戸2枚を友人の大工さんから頂いて取り付けました。敷居のレールはステンレス製のものを取り寄せ、溝付き鴨居は同じ大工さんに作って頂きました。
ドアサッシが入ったところは次の写真の左端に少し見えます。うまくはまったときには嬉しかったです。

7.壁板
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写真の正面に見えるように、壁板としてベニヤ板(12mm厚)を貼りました。板は鉄骨にビス留めできるようにサイズを合わせて切りました。繋ぎ目をきっちり合わせるのに手間取りました。その後、人体に優しいという高値の塗料オスモカラーで塗装1回塗り。

◆ベニヤ板 ホームベース t12mm×910×1820mm
◆塗料 オスモカラー エキストラクリアー 3リットル入

8.天井下地
天井の下地は鉄骨の梁に30×40mm角の野縁材を約450mm間隔に渡した後、75mm幅のラス板を455mm間隔に貼りました。

◆野縁 30×40mm×4m
◆ラス板 杉 t12×75mm×4m

9.電気工事
電灯用のVVFケーブルを天井に通し分電盤に接続しました。前後しましたが、壁コンセント用の配線は壁貼りの前に行ってあります。回路は電灯用1回路、コンセント用2回路としました。

◆電灯回路 VVF1.6にて
◆コンセント回路 VVF2.0にて

10.天井断熱材
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天井の断熱材はグラスウールタイプを使いました。天井下地材のすき間から入れ込むのに苦労しました。浮遊しているガラス繊維を少し吸い込んでしまってからマスクをしていなかったことに気が付き、それからはマスク着用。危ない危ない。

◆断熱材 マグ Gウール HV1010A-435 5坪分×2

11.天井貼り
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910×455mmの石膏ボードを貼りました。床と同じようにすき間無くきちんと貼るのは結構難しいです。ボードのネジ位置は、型を作ってマジックであらかじめ印を付けました。

◆石膏ボード チヨダ ジプスタ- t9.5×455×910mm 9坪分
◆ビス 軽天ビス 3.5×25mm

12.完成
以上で全てが完成。材料代は約40万円強、農業用施設として償却資産に計上しました。
主に冬の出荷作業で使っていますが、外は北風ピューピューでも中はほとんど気になりません。以前は外壁が鉄板一枚で裾からもすきま風が入り込んでいたいたことに比べると天国です。