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(今年から無農薬栽培に切り替えました)
我が栗園で収穫できる品種について、その特徴や食味などについて紹介します。
◆ 成木の品種名は今までの観察の中で日本の代表品種と比較して予想したものです。全て確実とは言い切れません。
◆ 栗の食味方法については「栗の食べ方と熟成保存(我が家)」のページで紹介しています。なお、食味の評価は難しく食べ方によっても異なるので、参考程度にして下さい。各品種の甘みの自己採点は5段階で行ってみました。
No | 品種 | 本数 | 収穫時期 | 最盛期 | サイズ |
1 | 丹沢 | 成木2本 | 早生種8月下旬~9月中旬 | 9/上旬 | 中程度 |
2 | 伊吹 | 成木2本 | 中生種9月上旬~9月下旬 | 9/中旬 | 中程度 |
3 | 人丸 | 伐採(H29) | 中生種9月中旬~9月下旬 | 9/中旬 | 小 |
4 | 国見 | 伐採(R2) | 中生種9月中旬~9月下旬 | 9/下旬 | 特大 |
5 | ぽろたん | 幼木14本 | 中生種9月上旬~9月下旬 | 9/中旬 | 特大 |
6 | 筑波 | 伐採(H31) | 中生種9月中旬~10月初旬 | 9/下旬 | 大 |
7 | 銀寄 | 成木4本 | 中晩生種9月中旬~10月上旬 | 9/下旬 | 大 |
8 | 美玖里 | 幼木12本 | 晩生種9月下旬~10月上旬 | 10/始め | 特大 |
9 | 武蔵 | 幼木4本 | 晩成種9月下旬~10月上旬 | 9/下旬 | 特大 |
温暖化の影響と思われますが、数年前と比較して収穫時期や最盛期が1週間位早まっています。
◆ マロンについて
イガの中には普通1~3つの実ができます。イガの中に1つだけが結実しているものは、形が特に丸くぷっくりしてお得な形をしています。これを我が園では特別に「マロン」と呼んでいます。私がこのブログを始めた頃にネットで「マロン」についての同様な記事を見たことかがきっかけです。
栗を表すマロンは日本では一般的に使われていますが、語源となるフランス語では栗の意味ではどうも使われていないようです。
このサイトの中では「マロン」をそんな特別な栗の意味で使っていますので悪しからず・・・!。
1.丹沢
確認した性質
➀ イガのトゲは中程度の長さで硬さも中程度 ➁ 実(種子)は艶のある茶色。おむすび型で幅も高さも中程度。 ➂ サイズはまあまあ。H28年のmax46g。大きいものでは裂果するものがある。 ➃ マロンは厚さ方向に丸い。 ➄ 味は甘く(自己採点4)美味しい。
2.伊吹
確認した性質
➀ イガのトゲは短く硬い。密集していて芝生や絨毯のような雰囲気。 ➁ 実(種子)は焦げ茶色で大変艶が良い。 ➂ サイズは大きい。H28年のmax42g。大きいものでは裂果が多い。 比重は大きめ(実がしっかりしている)。 ➃ 実の形状はおむすび型であるが膨らみが大きい。ぷくっとした膨らみが特徴的。 大きいものは銀寄風で横に張っているものあり。 ➄ 丹沢や銀寄よりは粉質で黄色。甘みは少な目(自己採点2)。 ➅ 1ヶ月以上熟成保存したものも痛みがほとんど無い。保存性が高い。
3.人丸(ひとまる)?
➀ イガのトゲは、長さが中程度で硬くしっかりしている。 トゲの間隔が広くすき間から皮が見える。伊吹と対照的。 ➁ 実(種子)は薄い茶色できれい。 ➂ サイズはそれ程大きくない。 ➃ 形状は円形に近い。マロンは特に丸い。 ➄ 味は特に甘く(自己採点5)ホクホクして美味しい。(我が園の中では一番甘い) 実の中身は濃い黄色。
4.国見
平成29年度より新たに、国見の成木が植えられた栗畑を借りて栽培を開始しました。
確認した性質
ぽろたんの親品種の一つということで、ぽろたんと国見とは大変よく似ている。 ➀ イガは分厚く大きい(他の従来品種より大きい)。トゲは長く密集していて硬い。 ➁ 実(種子)は濃い赤茶色。 ➂ サイズは他の従来品種に比べて大変大きい。 比重は小さめ(浮き栗が多い)(因みにぽろたんの比重は大きい)。 ➃ 形状は円形に近い。ぽろたんよりは肉厚が膨らんでいる。マロンは丸四角い形。 ➄ ぽろたんは渋皮が簡単に剥がれるのが特徴だが、国見は簡単には剥がれない。 <H29食味>少々粉質で1ヶ月ほど保存したものは甘みもまあまあで(自己採点3)結構 美味しい。ネットでは風味や甘みが少ないと情報があるが、伊吹より甘い感じである。 <H30食味>収穫後1週間程のものを蒸して食べてみたが甘みが少ない(自己採点2)。 但し、蒸して(すくい出して)冷蔵庫で数日保存したものを比較すると、ホクホクして いるためか甘みは薄いのに美味しく感じる。(他の品種は少しベタッとなってしまう)。 ➅ この畑には国見しか植えられていないので受粉は難しいと思われた。しかし、手が入って 2年目のH30年は結構な豊作で、前年の倍近くの収量があった。山沿いなので虫が多く 山栗などの花粉が運ばれるのかも知れない。ただし、粃(しいな)のイガも結構多い。 イガの中に実が一つだけのものも結構多い。
5.ぽろたん
確認した性質
➀ イガは分厚く大きい(従来品種より大きい)。実が落ちた後大きく開く。 トゲは長くて密集している。硬さは普通程度。 ➁ 実(種子)は濃い赤茶色。 ➂ サイズは従来品種と比べて大きい。比重は大きめ(重い)。 ➃ 形状は背が高く平たい。 ➄ H28年は熟成保存がうまくできなくて、食味結果でも良い印象は無かった。 H29年、1ヶ月近く熟成保存したものを食べてみた。 味は粉質でホクホク感あり。甘みやや強く(自己採点4)多の品種に対しても全く遜色ない。 やはり熟成保存がポイントか。 ➅ 実が大きく渋皮が簡単に剥けるのがぽろたんの大きな特徴である。 周囲に切れ目を入れ電子レンジ700W程度で2分間加熱すると渋皮がポロンと剥ける という。実際にやってみると1~2週間保存したものより1ヶ月程度保存したものの 方が渋皮が簡単に剥けやすい。この面でも熟成保存の成否がポイントか。 熟成保存の方法については「栗の食べ方と熟成保存 (我が家)」のページで紹介
6.筑波
確認した性質
➀ イガのトゲは、長く割と柔らかい。粗くすき間から皮が見える。伊吹と対照的。 ➁ 実(種子)は(褐色)濃い茶色で艶は普通。 ➂ サイズは割と大きい。比重は小さめ。 ➃ 形状は標準的な形で3果のものが多い。マロンはほとんどない。 ➄ しっとりしていて、甘みは中程度(自己採点3)。 H29年の食味では熟成保存が良かったためか甘みは強め(自己採点4)。 ➅ 1ヶ月以上の熟成で痛んだものはほとんど無かった。 虫が付きにくく保存性も良いということか?
7.銀寄(ぎんよせ)
確認した性質
➀ イガがまだ緑の内に実が落ちる。イガが充分に開かない状態で落ちるものもあり。 イガの皮は厚い。トゲは硬く少々短か目。割と密集している方。 ➁ 実(種子)は焦げ茶色で艶がある。 ➂ サイズは大きい。マロンが多い(大きい)。比重は小さめ(浮き栗が多い)。 実の中身の締まりは美玖里と比較すると劣る。(美玖里が締まり過ぎか!) ➃ 形状は、背が低く、横に丸く張って反り返った独特の形。 ➄ 甘みは中程度(自己採点3)。しっとり感がある(水分を吸うためか)。 渋皮煮にすると大変美味しい(近所の方々にも評判)。 ➅ 栗あんなどの用途での引き合いが特に多い。
8.美玖里(みくり)
確認した性質
➀ イガは従来の品種に比べて非常に大きい。イガの肉も厚い。 トゲはイガの大きさに比例するように長い。硬く密集しているが武蔵よりは柔らかい。 ➁ 実(種子)は茶色。大変艶が良く美しい。先端が白っぽい(金色?)。 ➂ サイズは従来品種に比べて大きい。比重は大きい(重く詰まっている)。 ➃ 形状は丸く均整がとれてきれい。 ➄ 味はホクホクしていて甘み強く(自己採点5)美味しい。粉質でホクホクの表現に適する。 実の中身は濃い黄色。甘みは人丸と同程度か。 実が固く締まっているので、他の栗より加熱時間を多めにとる必要がある。 一般的な栗ご飯では固さが残るかも知れない。渋皮煮にはあまり適さないかも?。 ➅ サイズ・色艶・形・甘みの全てが揃った最高の栗。
植えたときは、ぽろたんの受粉樹くらいにしか考えていなかったのですが、収穫して食べてみるとぽろたんの上を行く質の高い栗だと言うことがわかりました。
H29年は収穫量が増えたのでご近所の方にあげて食べてもらったところ、大きく重くて立派な栗!。甘くておいしいと評判は良かったです。(私としては柔らかく煮えたかどうかが心配)
樹勢も強く実を沢山付けてくれそうなのでこれからが楽しみです。晩成品種なのがちょっと残念!。
9.武蔵
H29年、3年生幼木4本から初めて収穫しました。
兎に角大きい栗だという触れ込みでしたので欲目の私は早速に苗を買って植え、H29年3年生の初収穫を迎えました。我が園の中で最も晩成の品種で、今年4本の幼木から約3kg程を収穫する事が出来ました。因みに全てが2L以上のサイズと思われます。銀寄に似た形状で、H29年の状態では全てが最大サイズの銀寄と言っても良い程粒ぞろいで大きかったです。
確認した性質
➀ イガの大きさや肉厚は美玖里とよく似ているが、刺し毛は美玖里より堅い。 ➁ 実(種子)は暗い焦げ茶色。艶はあまりない。 ➂ サイズは従来品種に比べて大きい。比重は小さい方。 ➃ 実の形状は銀寄に非常に良く似て反り返っている。(一回り大きな銀寄といった感じ) ➄ 2週間程熟成保存した物を初めて食べてみました。 比重が小さいことから予想できるように水分を吸ってしっとりした感じになる。 甘みはやや強い(自己採点4)程度で、形が似ているように味も銀寄と似ている。