栗幼木の管理

梨の袋掛け作業の合間に自分が管理している栗畑の面倒を見ています。

将来主枝となる枝の誘引

3~4年目の幼木で調子の良いものは枝が何本も張ってきます。その中の太い枝3~4本は、主幹を中心に放射状に配置して主枝としていきます。
主枝が横に開くように今のうちに癖を付けていきます。これを誘引と言います。誘引作業は3m程のポールを地面に45°位の角度に差し込み、これに主枝を沿わせて細いロープ(紐)で結わえていきます。

誘引1

試しに行った誘引 この後何回もやり直すことに・・・

木の形は1本毎に違うのでよく見て形を決めていきます。太い枝を無理に曲げようとすると付け根から裂けてしまいますので結構気を遣います。(実際に立派な枝が1本見事に裂けてしまいました。悲しい・・・)。

農協の技術員のご指導の内容
1.とりあえず4本主枝として誘引し、将来的には2本主枝とするように作っていくと良い。
2.主枝の先端は今年しっかりと成長させる。そのためには
 1)先が2~3本に鋭角で分かれていると、互いに牽制し合い中心の枝が思うように
   伸びない。中心の枝を他より高く保つようにする。
   なお、牽制し合う脇の枝を牽制枝という。
 2)主枝には実を付けない。牽制枝がある場合には実を成らせて重みで頭が下がる
   ようにさせる。
 3)牽制枝は冬場の剪定で切り戻す。
3.誘引できない直立した枝は主幹として直立させ、脇から出ている枝を主枝候補と
  していく。
  主幹から上り調子で出るものは良いが、下がっているものは主枝には適さない。
4.将来、主幹を切り開芯型に持って行く。
幼木の花芽摘み取り

主枝には実を付けないので、3~4年目の幼木の主枝の花芽を全て摘み取りました。2年目の幼木は花芽を全て摘み取りました。
花芽には雌しべのついているものと雄しべだけのものがあります。この両方共、元からハサミで切り落としていきました。
なお、牽制枝の花芽は残しました。

栗主枝摘花

左:主枝の花芽摘み取り前   右:主枝の花芽摘み取り後

2年目の幼木の主幹切り戻し作業

初回に植えた苗は植えた時に地面から50~60cmのところで主幹を切り戻してきました。ネットで調べて理由も分からずに行ってきました。2回目の苗は購入した時点で既に切られていました。
これらの幼木の状態があまり良くなかったので、3度目となる昨年度は主幹の切り戻しを行わずそのままにして経過を見ることにしました。その結果は下の写真に示すように、現在どの苗も先端に勢いの良い芽が何本か出ました。下の方には少し弱い芽がいくつか出ています。中央部の芽は特に弱い感じです。

苗は途中で切った方が良いのか切らない方が良いのかについて農協の技術員の方に質問してみました。

技術員のご指導の内容
栗は頂部優勢のためより高いところにある芽が大きく成長する。
苗の主幹を切らずに置くと先端ばかりが成長し、将来的に主枝として伸ばしたい下の方の
枝の生長が遅れることになる。地面から50~60cm程度のところで切った方が良い。
今からでも遅くない。

主幹切り返し2

という訳で、昨年度(この3月)に植えた2年目となる幼木の主幹を切り戻す作業を行いました。幸い地上から50~60cmの中央部は芽の出が弱いところがあります。「早く大きくな~れ」と念じながら思い切り、この部分からバッサリと切り戻しました。切ったところは病原菌が入らないよう「トップジンMペースト」を塗りました。